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能は人形浄瑠璃、歌舞伎と並び、ユネスコの世界無形遺産に登録されている日本を代表する古典芸能です。実は、金沢ではその能がとっても盛んなんです。
加賀藩の藩祖・前田利家は3日に一度は稽古をするほど能に傾倒し、以降、幕末まで能を愛好する藩主が続きました。加賀藩の手厚い保護で宝生流が金沢に根付き、庶民にも謡(うたい)や囃子(はやし)が広まりました。当時、町を歩くと高いところで作業する大工や植木職人の謡を口ずさむ声が聞こえ、「空から謡が降ってくる」と言われたほどです。
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訪れたのは金沢能楽美術館。ここで和泉流狂言方の野村祐丞さんと炭哲男さんに、能と狂言について教えてもらいました。
まず教わったのは、能と狂言の違い。どちらも仕草・型・台詞が相まって進行する舞台劇ですが、狂言は能の幕あいに上演します。
題材を見ても、能は物悲しい話を演じることがほとんどで、一方の狂言は日常生活の笑いや失敗談を演じる喜劇です。
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説明を聞き終えたところで、実践に移ります。はじめは狂言調での自己紹介。続いて、歩き方を教えてもらいます。
扇を開いて頭に乗せ、その場で立ったり座ったりしてから部屋をすり足で1周します。次いで、ももを上げて歩く動きに変え、扇を乗せたまま、また1周です。「スーッ」と滑らかに歩く野村さんに比べ、私の方は何だかぎこちない動きになってしまいます。
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今度は、扇を杯ととっくりに見立て、炭さんが酒を注ぐ演技をします。次に、その酒を飲むのですが、狂言の場合は、まず上半身を手元まで前倒しにして杯に口をつけ、そこから「ぐび、ぐび、ぐび」と酒を飲みながら徐々に背中を真っすぐに伸ばし、最後に首を反らして杯をヒックリ返し飲み干すんです。どんな動きもおおげさに表現するのが狂言なんだそうです。
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体験を一通り終えると、野村さんと炭さんが狂言「仏師」の一部を披露してくれました。これはニセ仏師が仏像に化けて田舎者の依頼主をだまそうとする話で、依頼主と仏師の素早い掛け合い、そして仏師があわてて仏像に化ける姿に自然と笑い声が出てしまいます。
メリハリのあるオーバーアクションで舞台上にないものをあるように描写する狂言は、古い言葉使いと相まって、見る側の想像力をグイグイ刺激してくる気がします。そして、こっけいでコミカルな動きの中にも気品のようなものを感じました。
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能・狂言のほかにも、能の楽器パートにあたる囃子の太鼓(たいこ)打ちや、声楽パートにあたる謡と謡だけをバックにクライマックスの型を舞う仕舞(しまい)を体験できます。平成22年2月20日まで、土曜日に計8回開催されるので要チェックですよ。
お申し込みは、金沢能楽美術館まで。
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